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2018年8月24日金曜日

失われた世界

みなさんこんにちは。
今日は失われた世界を読破しましたので、感想です。

失われた世界はアーサー・コナン・ドイルの作品です。シャーロックホームズで有名なコナンドイルです。

ここからは多少ネタバレを含むかもしれません。

キャラクターについて

キャラクターが生き生きとしています。主なキャラクターは4人。その中でもひときわ強烈な風貌気質を持っているのがチャレンジャー教授。背は低いけれど横幅広く、大きな体躯をしており、髭は胸の下まで伸びている。性格もかなり強烈。なにが強烈かというと、自分の研究について筋の通らない反論をしようものなら、暴力的手段も問わないほど。しかし、少し暴力的な性格の中にも、温和といいますか、優しさのようなものも持っている。それでいて生物学的な知見は世界トップクラスで、その他の分野、例えば生き抜く知恵のようなことについても頭が回る。
記者である主人公を含む他3人のキャラクターもとても生き生きと描かれていますが、私はチャレンジャー教授の存在が最も際立っていると感じました。未開の地へ足を踏み込むことの不安感や恐怖感、ある意味ホラー的な要素を含んでいる舞台設定であり、もっと恐怖感を感じさせる作品にもなり得るテーマですが、チャレンジャー教授、冒険家のジョン卿、主人公のマローン、そしてチャレンジャー教授の主張に断固反対しているサマリー教授の4人のやりとり、再三述べることになりますが、チャレンジャー教授が近くにいることの安心感が、この作品を恐怖や不安を煽るばかりではなく、多少ウィットに富んだ作品にしているように思いました。

物語のリアル感

現代でいうところのSF物なのですが、生物学的な知見、当時の時代背景、実在する地名や建物の名前などが文章の中に見られるためなのか、本当にありそうなリアリティがあります。アマゾン川を進んで行き、進むのに過酷な沼地や密林を進んでいくとほんとうに存在しそうな舞台の描写。アマゾン奥地で生活していそうな先住民族。2018年現在ではおそらく、地球上で探検されていない場所はほとんど残されていないとは思いますが、もしかすると恐竜とまでは言えませんが、絶滅したと考えられていた生物が、古代の環境がそのまま保たれている場所で今も生きている、というようなことはありえるかもしれない。そんなロマンを抱かせる物語です。


何が読者を魅了するのか

これは性別で意見がわかれるかもしれません。
私的には、冒険心くすぐるワクワクするような要素が物語に引き込まれる要因になっていると感じました。
心を寄せる人に振り向いてもらおうと、自ら調査委員会に志願する主人公記者マローン。大きな発見をして有名になり、偉大なことを成し遂げることができれば、愛するグラディスに振り向いてもらえるかもしれない。冒険家のジョン卿は、4人の中では最も戦闘力が高いと思われます。銃の扱い方や身体的な能力、サバイバルの知恵を持ち合わせ、戦闘時にはチャレンジャー教授よりも頼りになるジョン卿。サマリー教授はあまり頼り甲斐のあるような設定ではありませんでしたが、旅程の中幾度となくチャレンジャー教授と議論を交わし、自分の主張を曲げようとしない頑固さ、それほど強くなさそうですが全体的に嫌味な感じではなく、芯のある男性です。癖のある4人の人物が、アマゾンの奥地にあるという秘境を目指して進んでいく。そしてその地で繰り広げられる前代未聞の出来事。見たこともない生物や人種。これらの設定は、いかにも男の子が好きそうな設定ではないだろうか。したがって、失われた世界は女性よりも男性のほうが好んで読み進められそうだと感じました。
また、映画ジュラシックパークにも影響を与えているという。冒険好きな人は面白く読めると思います。

アーサー・コナン・ドイル

シャーロックホームズは読んだことがないので、読んでみたいと思った。
確かアマゾンキンドルで英語版が無料でダウンロードできたような気がします。




2018年8月12日日曜日

LIFE SHIF

みなさんこんにちは。
久しぶりに紙媒体の本をTSUTAYAで買ったので、感想を書き留めます。
星の王子様もとても素晴らしい本でしたが、今回は右のLIFE SHIFTという本。
この本の著者であるリンダ グラットンという先生の本は、二年前くらいにWORK SHIFTという本を読んだことがあり、その時に感じたこれからの人生設計のありかた、のようなものを再認識する一冊になりました。

主に、2018年現在、退職を間近に控えている労働者、40代くらいの中堅労働者、それからこれから社会に出て行くティーンエージャーを軸に、各年代別にいくつかの指針が示されていました。
私は今二十代後半なので、LIFE SHIFTで示唆されていることを考慮するとおそらく80歳〜90歳まで生きると仮定できるかもしれない。つい最近、政府が公務員の定年年齢を65歳にする方針を示したように、もしかすると私たちの世代では「定年」という概念が取っ払われている可能性すらあるように思います。これから先、どのように仕事と向き合っていくのか、そして仕事以外のコミュニティ、家族や友人、LIFE SHIFTの言葉を借りると無形資産をどのように築いていくのか、しっかり考えることが大事になる気がする。

と上記のように書いた反面、私の周囲の年代が割と近い人たちをみてみると、すでに子供が3人ほどおり、若くで結婚も果たしている家系が円満な家庭生活を築いていることを考えると、こういうことを考える時間があること自体、贅沢なことのようにも思えて仕方がありません。

ただ一つ言えることは、高齢化が進み人口減少に転じている日本では、教育→仕事→退職という3つのステージモデルは私たち世代には当てはまらないことは高確率でありえそうだということです。

マルチステージを生きなければならなくなるかもしれないため、どのようなステージを準備していくか、大事なことだと思いました。



まだ最後までよんでいませんが、啓蒙書的な読み方やビジネス書、それから多くの研究者による研究テーマなどをもとに書かれているため、参考文献的な使い方もできそうな一冊でした。
今日から余暇の時間をレクリエーションではなく、リ・クリエーション(recreation)に充てていこう。




2017年5月21日日曜日

蜜蜂と遠雷 恩田 陸

みなさんこんにちは。

 本日は、最近よく本屋さんで目にする恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』を読み終えましたので、感動冷めやまないうちに少し感想を書いておこうと思います。
 多少ネタバレも含むかもしれませんのでご了承ください。




音楽とは何か

 『蜜蜂と遠雷』を読み進めていくと、私たち人間にとって音楽ってなんなんだろうと考える瞬間が度々あった。音楽界において天才と呼ばれる人たち、例えば絶対音感を持っていて、曲を数回、極端な話、一度聞いただけで再現できてしまうような、才能に恵まれた人たちがいる一方、趣味で音楽をしていて、自分の理想にできるだけ近づきたいと練習に練習を重ねているアマチュア音楽家もいるだろう。
 『蜜蜂と遠雷』の掲げるテーマってなんだろうと考えてみた。一度さらっと読んでみた感想は、

 「音楽は人生に容赦ないけれど、それでも素晴らしいものである」

という事が念頭にあるのではないか、と感じた。物語はコンクールに勝ち上がっていく形で進んでいく。もし読者が、何かしらの楽器をしていれば、物語への感情移入は容易なものとなるだろう。オーケストラに乗った経験がある人や、コンクール出場経験者ならさらに物語に没頭できるかもしれない。

 物語に共感した部分は、プロアマを問わず、趣味の範囲で楽器を演奏する人も含めて、楽器演奏者は音楽という抽象的なものに、限りある人生の一部分を(ややもすれば、ほとんどすべてを)捧げているという事実だ。私もそうだが、日々の生活の中で音楽に費やした時間をすべて合計し、代わりに他の何かに費やしていたら今頃、違った人生になっていたのではないかと思えるくらいに、音楽に時間を使っていたりする。

 『蜜蜂と遠雷』を読んでいると、そんなことを考えてしまう。もしかしたら音楽は、人の人生を狂わせてしまう危うさを持っている。『蜜蜂と遠雷』の中で軸となる音楽のジャンルはクラシックであり、西洋発祥のそのジャンルは、グレゴリオ聖歌からバロック音楽、近代、現代を経て今なお語り継がれている。軸となるべきジャンルであることは間違いないと思う。ある意味神聖な、どれだけ努力しても完璧に再現する事はできないのではないかと思わせるようなジャンルだと私は思う。これだけ語り継がれてきて、おそらくこれからも語り継がれるであろうジャンルでもあると思う。


音楽は人生を豊かにする

 音楽を知っているのと知らないのとでは、知っている程度の差はあれ、人生を豊かにすると思う。音楽に割く時間を何かの資格勉強に当てたり、もっと実用的な事に当てることもできるけれど、『蜜蜂と遠雷』のいうところでは「クラシック」を知っていると、人生は少し、豊かになると思う。ステージに乗るあの高揚感、緊張感、恐れ、不安、喜び、情熱。あらゆる感情がステージには詰まっている。観客席も同じだ。あの感情は、経験したことのあるものだけが共感できると思っていたけれど、もしかすると『蜜蜂と遠雷』を読んでいる読者にも、本を通して共感する事ができているかもしれない。それくらい、読んでいて奏者の思い、客席の鼓動が伝わってきた。主な登場人物たちへの感情移入は容易で、3回も涙してしまった。

 恩田先生は音楽にもともと精通されていたのだろうか。こんな疑問がふと頭をよぎった。作曲者達への知識、曲への知識、ちょっと勉強しただけではなかなか身につかないレベルの見識があるように思えた。


一気に読める

 コンクールを勝ち上がっていく構成で、一次からはじまり本戦で終わる。シンプルな物語。そのためか一気読みが可能だ。ちゃんと順位もはっきり決まる。良い意味で期待を裏切らないエピローグだった。共感するポイントは、個人によってわかれると思う。私が一番涙腺緩んだのは、最年長の明石が演奏する場面。そしてかつて天才と呼ばれた少女が演奏する場面。挫折からの立ち上がり、闇のある彼らだからこそ、神童達とは違った意味で応援したくなったし、覚醒した時の高揚感、そして喜びはかなり大きかった。

 音楽は世界にあふれている。私たちは得ていてばかり。そろそろ恩返しをしないとね。という趣旨の台詞にも心を打たれた。
 

再読したい一冊

 毎度読み終えて思うのだが、再読したい一冊です。でも結局再読しないまま時は流れてしまうのですが…。
 今回ハードカバーを知人から借りて読んでいたので、文庫化したら購入して、もう一度読んでみようかな。とか言ってどうせ読まずにすますんだろうな。









2015年10月25日日曜日

貯金兄弟 竹内謙礼 , 青木 寿幸

みなさんこんにちは。
今日は『貯金兄弟』を読んだので、感想を書きます。

人生におけるお金に対する身の振り方を、考え方の違う兄弟2人を通して疑似体験する事ができるストーリーです。
知識的な内容だけでなく、ストーリーも面白く、弟である翔太の不思議な能力が重要な要素になり、ストーリーが進んでいきます。

中間くらいまで読んでいると、「あ、貯金しないとマズイな」とか、「貯金したいなあ」と貯金がしたくなる思考へと誘うような内容でした。
消費者金融から借りて、返済に困ったり、金使いの荒い兄を見ていると、貯金にたいする正義の意識が芽生えてきました。

しかし最後まで読み終えると、結局、貯金ばかりしていても、駄目なのかもしれない、ある程度のバランスを考えてお金と付き合うべきなのかも、という自分なりに解釈しました。

お金のことを心配しないで生活できれば、それにこしたことはないと思いますが、世の中そのような人は割合的にわずかでしょう。
ある程度の貯金を行いつつ、消費するところは消費する。
そんな感じで貯金を以前よりも意識して行いたいなと思わせてくれた一冊でした。
弟の翔太が教えてくれた貯金術など、早速実践したいです。



2015年10月6日火曜日

僕だけがいない街 <1巻>

みなさんこんにちは。

久しぶりに漫画を読んでみました。
全六巻のうち、1巻目をAmazonのKindleで購入し、読みましたので感想など書いていこうと思います。

ほんわかした感じの表紙とは裏腹に、内容はミステリアスで、主人公(悟:さとる)は時間を過去に遡るという不思議な現象を体験します。
時間を過去に遡る現象はリバイバルと呼ばれ、主人公の意思とは関係なく発動し、なんらかの「違和感」を見つけることができれば、もしくは未来に起きる負の出来事を回避することができれば、リバイバルはおさまります。
このあたりのことは、ネタバレになりそうなので、割愛しますが、読んでいけばわかると思います。

私が特に引き込まれた点は、主人公の悟が自分のことを「何もない人」と考えている点や、漫画を描きつつバイトをしたり、女子高生から尊敬されていたり、「何もない」と考えている割には一応、作家としてデビューしていたり、決してイケイケではないけれど、夢を追いかけて漫画を描いていたり(一巻である現時点では)、過去に明らかになっていない影があったりと、次巻を読みたくなる要素が多くちりばめられていると感じました。

巻末の終わり方も、多少ストーリーの流れを推測できるものの、これからどうなっていくのかわからない点も、読者を引き込む要素ではないかと思いました。

次巻も近いうち、購入しようと考えています。
ちなみに、以下のサイトで1話部分のみ読むことができるようです。

リンク:コミックウォーカー






追伸:先週の土曜日から今日まで、シドニーはとても暑い日が続いています。明日は少し和らぐようですが、配達をしている私にとっては日差しが強烈で少し苦戦気味です。スイカバーが食べたいです。





2015年4月25日土曜日

異邦人 - カミュ

みなさんこんにちは。
そろそろゴールデンウィークがはじまりますね。

今僕が働いている沖縄のホテルは、さぞかしお客さんが増えるのでしょう。
県外の方や外国からお越しになる方が多くいます。

今日は買ったはいいけれど本棚に眠っていた一冊を読破したので感想を書きたいと思います。
アルバート・カミュの著書である『異邦人』を読破しました。
高校生くらいの頃からカミュという作家がいることは知っており、『異邦人』という本があることも知っていましたが、ようやく、読み終えることができました。





読み終える、と言ってもそれほど長編というわけではなく、新潮文庫から出版されている窪田啓作訳のものを読みました。
本編のページ数は127ページ。
読み始めると中断する気になれず、一気に読むことができました。

やはりこの物語の中心はムルソーといえるでしょう。
母の死の後に人を殺してしまい、人を殺した理由を彼ムルソーの言い分では「太陽のせい」だという彼の理性や性格、思考がうまく描写されていると思いました。
ムルソーはアラビア人を一人殺してしまうのですが、その時の自然、つまり浜辺や太陽、海などに神秘的なものを感じました。
私のなかでは未だになぜ、一発打ち込んだ後に少し時間を空け、さらに4、5発打ち込んだのか謎です。

ムルソーは自分にあまり興味がなく、また他人にもそれほど興味がないように思います。
周りの体裁を気にするよりも、自分の本能で生きている、といったほうが適切かもしれませんが、母が亡くなっても涙を流さないところは少し人間味が欠如しているような印象を持ちました。

また、もともとアラビア人殺害の罪で告訴されたにもかかわらず、なぜか母親の死にたいするムルソーの態度が裁判上の論点になってきているかのような話の展開にも関心しました。
物語には敬虔な検事や神父が登場するのですが、彼らが頑なに信じていること、それは神だったりするのですが、ムルソーは死刑宣告後も神を全く信じません。ムルソーは何に救いを求めるのか、そもそも誰かに救いを求めること自体、ムルソーの頭のなかにはなかったのかもしれません。

この世に絶対的なものは存在しない、そんなメッセージが物語全体をとおして感じられた一冊でした。
白井浩司さんの解説も、読み応えがありました。
もう一度はじめからじっくり読みたい一冊です。

2015年4月8日水曜日

不良少年とキリスト - 坂口安吾

みなさんこんにちは。
今日は青空文庫から、『不良少年とキリスト』を読みました。

太宰治と芥川龍之介がなぜ自殺したのか、という疑問に坂口安吾の視点から答えてくれます。
二人の文豪にたいする弔いの作品なのかな?とも思ったのですがその理由は、読んでいて彼ら二人が生きていたらどんな作品を次々書いただろう、という坂口安吾の残念がる気持ちが伝わってきたからです。


二日酔いは魔術。
二日酔いを「フツカヨイ」とカナ書きで書いているため、強い印象を得ました。

歯痛の話しから一転、太宰の話に軸を写し、最後は原爆や学問といったスケールの大きな話になり、歯痛の話はいずこへと疑問に思いました。

明治時代の文学って、なんか面白いと思うのは、そういう文学を面白いと思う自分に酔っているからだろうか。

また他にも青空文庫で読んでみることにしたいです。

今は文庫本で『凍りのくじら』という本を読んでいるのですが、なかなか良いです。