みなさんこんにちは。
日本はもう秋でしょうか。
オーストラリアシドニーは、だんだんと夏の陽気になっています。
今日は短編小説を書きます。
朝
私は今オーストラリアにきている。ワーキングホリデーという制度を利用し、勤めていた会社を辞め、一世一代の大冒険へ乗りだそうと意気込んで来てみたのは良いものの、近頃シティでの生活に飽きを感じ始めていた。
オーストラリアの都市シドニーで生活をはじめてから早くも3ヶ月が経っていた。シティは人が多く、必需品や奢侈品もなんら困ることなく買うことができる。また、シティにはパブが多く点在しており、徐々に暖かくなってくる9月を境に、日中からパブでお酒を嗜みながらお喋りをする人々もみられるようになってきた。
天気予報によると、季節的には春というのにもかかわらず、異様に気温が上がるらしい。最高気温は33度、ということだった。暑いのが苦手な私は、すこし気持ちが萎え、春でこの気温なら、真夏はどれくらい気温があがるのだろうかと、先のことに不安を覚えた。
20代も後半を迎え、昔に比べて時間の経過が早く感じられるようになり、休みの日を怠惰に過ごすことが罪に感じられるようになってからというもの、午前中の時間に勉強や用事などを済ませないと気持ちが落ち着かないようになっている。
なので週末は、9時までには身支度を整え、カフェや図書館で過ごす習慣ができている。今日もその習慣どおり、ビューティーアンドユースのトレザーとコムサイズム七分袖のVネックTシャツに、高校卒業祝いに父親からもらった腕時計と、お気に入りのブレスレットを身につけ、州立図書館(state of library NSW)へ向かった。住んでいるアパートメントを出ると、心地よい日の光が体中に当たった。午前中ということもあり、まだ人の流れは緩やかで、比較的落ち着いた雰囲気だ。
通りを歩いて図書館へ向かう。向こうから歩いてくる人々を観察しながら、てくてくと歩を進める。視界に入るのは、ビル、車、カフェ、チャイナタウン、道行く人々だ。シドニーはなんだかごちゃごちゃしていると私は思う。オーストラリアは移民の国とは良く聞くが、確かにアジア系住民、特に中華系勢力は強いように感じる。
爽やかな風を肩に感じながら歩いて行くと、徐々に体が汗ばむのを感じ始めた。肩掛けのボストンバッグにはMacBook Airと財布、日本のスタバで購入した水筒、小銭入れが入っており、小柄な私には少々重く感じられるほどである。そのため、2キロほど歩いた後、バスに乗ることにした。シドニーではオパールカードという公共交通機関で利用できるプリペイド式カードがある。日本のSuicaやPASMOのようなもの、といえばピンとくるだろうか。このカードは週に8回利用すると、次の乗車では運賃が無料になるというシステムが採られている。例えば、月曜から木曜までで各日2回ずつ利用すれば、木曜日の往復までで合計8回利用したことになり、金曜日からは無料でパスや電車、フェリーまで無料で乗車することができる。
仕事上、金曜日までに8回利用する私は、毎回週末になると無料で交通機関を利用することができるこのシステムが大変気にいっている。なんだか得した気分になるのだ。このシステムは、日本と違って休日は外出することが少ないらしいオーストラリアの住民を、なんとか外出させようと試みる政府の政策らしい。確かに、休日のシティは、少し人が少ない気がする。人ごみが嫌いな私は、休日、特に土日の早朝が大好きだ。
バス停に辿りつき、バスを待つ間、フェイスブックのメッセージを確認する。彼女からのメッセージが3件。嬉しくなって読むと、「昨日は飲み過ぎて眠たい」とか「今日も仕事だ」とか「今日も会いたいね」との文章が目に入る。「うん、今日も仕事がんばって」「はやく会いたいね」と返信し、バスを待った。バスが到着して乗り込んだ。オーパルカードを電子機器にタッチし、座席を探す。高齢者専用の座席しか空いておらず、すこし座るのがためらわれたが、お年寄りはいないこともあり席に座った。向こう側の席にはブロンドのいかにもオージーらしい若い女性が座っていた。サングラスをかけ、ノースリーブで色の白い白人女性だ。外見から判断するとやはりおそらく、オーストラリアでの生活が長いのではないかと想像出来る。乗車して10分足らずで、州立図書館近くのバス停まで到着した。そのバス停で下車し、250メートルほど徒歩で残りの道を行く。道中、ローカルのカフェがあり、美味しそうなサンドイッチや、店外に設置されてある座席で朝食を取る人たちを羨みながら足を進めた。
図書館に着くと、併設されているカフェに向かい、ロングブラックとハムサンドイッチを注文して食べることにした。カフェの店員は、彼女が話す言語から判断するにタイ人らしい。私が抱くタイ人のイメージは、フレンドリーで親切、だ。「こんにちは。ご機嫌いかが?」と、注文する際に買わされる一般的な定型文が店員から発せられる。「ロングブラック一つと、ハムサンドイッチを一つください。」と私は店員に言った。しかし女性が持ってきたサンドイッチは、私が望んでいたものとは異なるものだったので、「それではなく、これです。」と指を指して言うと、理解したらしく「10ドルです。」と女性店員。「持ち帰り?」と聞かれ、実際は店内で食べるつもりだったが「持ち帰りで。」と応えた。ドリンクとサンドイッチで10ドル。まあ、物価の高いオーストラリアでは妥当な値段である。注文したサンドイッチには、ハムとトマトとチーズが挟まれている。なかなか美味しかった。
12時まで図書館に併設されているこのカフェで勉強した後、私はシティの北、ハーバーブリッジを超えたところにあるチャッツウッドという町へ向かうことにした。
<つづく>
<つづく>
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