師走になり、既に4日目となりました。本当に、今年一年もあっという間に過ぎて行きます。
早朝1
私の仕事場は、日本の食品会社が所有している食品加工工場だ。この工場では、様々な食品を扱っている。その食品の主な出荷先はシティや郊外にある日本食レストランだ。私はこの工場で、倉庫管理と配達業務を担っている。シドニーに来て2ヶ月ほどして、何か仕事をしようと考えありつけたのがこの仕事だったのだ。面接はあっという間に終わり、工場長から「君さえ良ければうちで働いても良いよ、と言ってもらえた」配達業務は考えていた以上に力仕事であり、はじめの一週間は肉体的にも辛かったが、少しづつ力もついてきて1ヶ月も経つと段々と身のこなし方がわかるようになり、自分で考えて行動する事ができるよになった。
そういうわけで、今日も仕事場へ行かなければならないのだが、私が担当するデリバリー部門の業務は6:15分から業務スタートなので、仕事があるときはいつも5:00に起きなければならない。目覚ましは一応かけているのだが、週に5回同じ時間に起きるため、もう体が勝手に5:00に目がさめるようになっていた。
起き上がって寝癖を直し、シリアルをかき込み作業服に着替えて8回からエレベーターで地上へと降りる。
少し歩くと、フォードのセダンが目に入った。私より二週間ほど後に入ってきた同僚の車だ。私より3歳ほど年上のすらっとした男性で、私と同じデリバリー部門のスタッフである。平日の3日間、月曜日から水曜日まで彼と業務時間が被り、家も近所だったため、送迎してくれることになっていた。
会社に入って一週間ほどで、彼は車を購入したのだ。なんという購買力だと私はそのとき関心したものだった。
「おはようございます。お願いします。」
「おはようございまーす。」
彼は私よりも年上なのだが、とても礼儀正しく接してくれる。私は兄がいなかったため、兄がいたらこのような感じなのだろうかと考える。
あたりはまだ薄暗い。車内から外を眺めると、何軒かカフェが開店の準備をしていたり、既に開店していたりする。開店しているカフェの店内には、オレンジ色や黄色や黄緑色の作業服を着た作業員が数名コーヒーを飲んでいる。
日本と比べてオーストラリアにはカフェが多い。私の故郷である沖縄にはそれほどカフェは多くなく、カフェ好きな私にとって、落ち着いて腰を下ろせるカフェが多いところはシドニーで好きなポイントである。
車で15分ほどで、仕事場である工場に着いた。「おはようございますー。」挨拶をして荷物をロッカーへ置き、6:15分になるまでしばらくくつろぎタイムである。コーヒーを飲んだり、お茶を飲んだりしながら会話を交わす。この工場には、私と同じワーキングホリデービザを使ってシドニーへ来ている若者がいて、彼彼女らの話を聞くことはとても刺激的だったし、同じ境遇であるため親近感も覚えた。工場には、日本人が多く、工場内にいるとそこはもう日本と言っても過言ではないほど英語は使わなくなる。日本人の他には韓国人が6名ほど、タイ人が2名ほどいて、彼らは日本語がとても上手い。特に韓国人の日本語の達者な事には感心してしまうほどである。なぜそれほど上手いのか、一度聞いてみた事があるが、彼らがいうには「昔大阪にいた時に日本人と付き合っていた事がある」というのは私と同い年の女の子。「日本のドラマを見て覚えた」というのは私より1つ年上の男性。なるほど、スピーキングはやっぱりその言語の母語話者と付き合う事が上達の近道であると改めて考えさせられた。
このような会話ができるのも、1日の楽しみである。この職場はなかなか活気があって、和気藹々としている。日本人のスタッフは大体が日本からの移住組であり、過去の話を聞くのもとても楽しい。私はどちらかというと、自らの事を話すのは好きでも得意でもなく、人の話を聞くことの方が好きだったため、話好きで過去に色んな体験をして来た人たちが集まっていたこの工場の人たちにはとても親近感が持てた。
たわいのない会話をしていると、時計の針は15分を刺した。
仕事の始まりである。